急性中耳炎
急性中耳炎は、かぜの原因である細菌やウィルスが、鼻の奥から耳におよんで、炎症をおこす病気です。症状は耳の痛み・発熱などです。免疫の状態が未発達な生後6か月から2歳くらいまでが一番かかりやすく、かぜがきっかけになり、冬や春先に多いようです。
顕微鏡下の鼓膜の観察などから診察を行います。多くの場合は、鼻の処置や飲み薬で中耳炎は治ります。
しかし、急性中耳炎は、”初めてかかった年齢が低いほど”、”保育園に通っている子ほど”、”何回も繰り返している子ほど”、”母乳栄養でない子ほど”かかりやすく、治りにくい傾向にあります。そのようなお子様は、治りがわるいため、長期の通院が必要になることもあります。
滲出性中耳炎
鼓膜の奥の中耳の炎症によって染み出てきた液体がたまる病気です。急性中耳炎から滲出性中耳炎に移行することが多くあります。
アレルギー性鼻炎や副鼻腔炎が原因となることもあり、アデノイドや扁桃が大きい場合もかかりやすくなります。
症状は難聴や耳のつまった感じがあります。痛みがないために、お子様自身が病気に気づくことはまれです。「呼んでも気づかない」「テレビの音を大きくする」など難聴の疑いがあるようでしたら、一度受診するようにしてください。
Oto LAMによる中耳炎の治療
炭酸ガスレーザーによる鼓膜切開装置 Oto LAM(オトラム)を使って鼓膜に穴を開け、鼓膜の奥の中耳に溜まっている浸出液や膿を出すことができます。
メスによる鼓膜の切開の場合、穴が数日で閉じてしまうため中耳に再び膿が溜まってしまうことがありますが、Oto LAMをつかった場合は二週間ほど丸い穴が開いた状態を維持できます。
穴が開いている間に中耳の炎症が落ち着くことが期待でき、治療期間と抗生物質の試用期間の短縮が可能になります。また、切開に要する時間は一瞬で、切開時の痛みや出血もメスを使った場合より少ないです。
治りにくい中耳炎の治療でお悩みの方は当院へご相談ください。