難聴の原因はいろいろなものがあります。
中耳炎によっても難聴はおこります。
炎症によって耳に液体がたまり鼓膜が十分に動かなくなる(滲出性中耳炎)、鼓膜に穴があいている(慢性中耳炎といいます)ことなどが原因になります。このときは中耳炎の治療をしなくてはなりません。
突然片方の耳の聞こえが悪くなる突発性難聴
“朝起きたら突然音が聞こえない”、”あるとき突然電話の声が聞き取れなくなる”など、突然片方の耳の聞こえが悪くなる病気を突発性難聴といいます。
めまいや耳鳴りを伴うこともあります。血流障害やウイルス感染などが原因として推定されています。肉体的、精神的にストレスがかかっていることがきっかけになって発病することが多いようです。
この病気の場合は、かかったらなるべく早く治療を開始することで重要です。
ステロイド剤を中心とした治療を行います。またストレスを避け安静に過ごすのがよい治療となります。
しかし、難聴が重いときや治療の開始が遅れた場合には、治療をしても難聴が残ってしまう場合があります。
(難聴の程度が重く、重症のかたは、強い治療をするため入院をおすすめすることもあります。その時は入院できる施設をご案内いたします。)
年をとっておこる老人性難聴
年をとっておこる難聴に老人性難聴があります。耳の神経や耳の感覚細胞がご年齢の影響で衰えてしまったことが原因です。
日常の会話の中で話の内容がよくわかっていないのに返事をしてしまって相手に誤解を与えたり、途中で何度も聞き返すので会話が弾まなくなってしまったりといったように、スムーズなコミュニケーションができなくなりがちになります。
個人差はありますが、どなたもお年をめせば聞こえは悪くなります。残念ながら”若返りの薬”があるわけではないので治ることはありません。
補聴器を上手に使って充実した日常生活を
老人性難聴を治すことはできませんが、補聴器という機械を使用し、適切に調節できれば、「今までより良く聞こえる」ようになります。 積極的に補聴器を装用することにより、日常の生活をより充実したものにできる可能性があると考えております。補聴器が必要と考えられる患者さまには信頼できる補聴器店をご紹介しております。
このほかにも難聴を起こす病気はたくさんあります。ご心配な症状がおありのときは、耳鼻咽喉科にご相談することをおすすめいたします。
補聴器は医療費控除適応です
2018年度より補聴器の購入費用が医療費控除適応になりました。
手順は以下のようになります。
- 受診して「補聴器適合に関する診療情報提供書」を受け取る
- 補聴器購入時に販売店にその書類を提出
- 販売店から提出した書類の写しと補聴器の領収書を受け取る
- 確定申告時に申請
医療費控除を受けるには、補聴器を購入する前に補聴器相談医に診療情報提供書を書いてもらう必要があります。当院で対応可能ですので購入をお考えの方はご相談ください。