当院によくある質問として「新型コロナウイルス感染症にかかった人は、完治の証明にPCR検査をする必要がありますか?」というものがあります。
結論から言うと、「もう他の人に感染する可能性がない」ことを証明するためにPCR検査をする必要はありません。
理由は、すでに治癒していてもしばらくの間PCR検査は陽性に出続けてしまうためです。
それでも念の為にコロナ感染が治癒していることを確認すべきだと、コロナ陽性後に会社からPCR検査をしてくるように指示を受ける人はいるでしょう。
PCR検査で感染性を証明できるか
しかしPCR検査には感染性のありなしを証明する機能はありません。
PCR検査が判定しているものはウイルスそのものではなく、ウイルスの遺伝子です。ウイルス自体はもう体内で死滅していても、死んだウイルスの体の一部である遺伝子(RNA)が体内に残り、それをPCR検査で検出してしまうことがあるのです。
コロナウイルスに感染すると、その遺伝子は体内で平均20日間程度は残り続けます。その間はずっと、感染性がなく病気としては治癒している状態にも関わらず、PCR検査が陽性となってしまいます。
隔離解除の基準
WHO(世界保健機関)の指針では
症状のある患者は症状発現後 10 日以上であること、それに加えてさらに 3 日以上症状がない(発熱がなく呼吸器症状がない状態を含む)
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)感染者の隔離解除基準
と明確な基準が示されています。
日本の厚生労働省もこの基準に則り隔離解除期間の設定をしていて、発症後10日間を自宅待機期間と定めています。
新型コロナ後遺症かな?と思ったら
療養期間の終了後も不調が見られる場合、新型コロナ後遺症が疑われることがあります。
埼玉県では新型コロナ後遺症を診療する後遺症外来が設置されております。
気になる症状が続く場合は、まず当院など近隣医療機関を受診してください。
医師が新型コロナ後遺症の診療が必要と判断した場合、紹介状を発行し適切な後遺症外来をご紹介いたします。
受診については後遺症外来のページに掲載されているチェックシートを目安にご検討ください。